by Leo
(東京都)
地元のキッズたちによるガイドツアー
2015年7月~2017年6月までワーホリでオーストラリアに滞在していました。このBarunga Festivalはディジュリドゥ(先住民アボリジニの楽器)やアボリジニの文化に関心がある人には有名なイベントで、既に30年以上開催されています。
開催地のBarungaはアボリジニ・コミュニティで、普段は入ることが出来ません。僕は一番近い町(といっても100キロほど離れています)であるキャサリンに滞在して一緒に行く人…車を持っている人を探したのですが、その時は参加する人が見つかりませんでした。どうしようかと思っているところに、こちらの管理人さんでもあるSachiさんが声をかけてくださり、ご一緒させて頂きました。
『フェスティバル』ということで、例えばFUJI ROCKやSUMMER SONICのような大規模なものを想像して行くとびっくりすると思います。なんともゆるく、のんびりしたイベントなのです。会場になるのは、小さな日用品店、学校、教会などがあるだけの、本当に小さな村。宿泊施設などなく、参加者はみんなテントを持ち込んでキャンプ。中にはテントすら張らず、マットレスを地面に置いて寝ているワイルドな人がいるのもオーストラリアらしいところでした。
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初日の夜には、学校の屋外バスケットコートが即席のクラブ(?)に。大音量で流れる音楽に合わせて、地元の若者たちが歌え踊れの大騒ぎ。彼らにとっては一年に一度の大イベントなのかもしれません。
ダーウィンやアリススプリングスなどにもアボリジニの人が多く住んでいますが、アルコールなどの問題が大きく、お金をせびってきたり街中でケンカが始まったりということが頻繁に起こります。そのため、アボリジニ=悪い人、危険な人というイメージを持っている人が多いことと思います。
しかしBarungaコミュニティではお酒の持ち込みや販売が厳しく禁止されていることもあり、地元の人たちも皆穏やかでした。ということで、参加期間中は音楽フェスに付き物のビールなどのお酒は手に入りません。携帯の電波もほとんど繋がらなかったので最初は不便に感じるかもしれませんが、この3日くらいは携帯やインターネットから離れる生活をするのも良いと思います。
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フェスティバルの内容は様々で、アボリジニの人たちの伝統的なパフォーマンスや、地元の子どもたちによるガイドツアー、ヤリ投げ選手権(!)、女性たちによるかご編みの実演、アートの販売コーナーなどなど。特に子どもたちのツアーは文句なしで盛り上がりました。
スポーツゾーンではオージーに人気のフットボールを始め、ソフトボールやバスケなどの試合が行われていました。この日のために遠方のアボリジニ・コミュニティからもチームが遠征してきていたようです。
日が落ちると音楽ライブがメインになりました。アボリジニの人たちによるバンドのステージと、主に白人アーティストによるアコースティックなステージの二つがあり、前者はロック系のバンドが多く大盛り上がり。後者は水辺の小さなステージでの演奏で、しっとりした演奏がとても心地よかったです。
ライブはずいぶん遅い時間まで盛り上がっていましたが、僕たちは早めにテントに戻りました。遠くから音楽が聞こえてくる中を眠るのは、不思議な心地よさがありました。
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2016年のフェスティバルでは、アボリジニのシンガーでオーストラリアを代表するミュージシャンの一人、グルムルが出演していました。Sachiさんのご厚意で関係者の方に声をかけて頂き、ステージ裏でグルムルとお会いすることができました。残念ながらグルムルは昨年病気で亡くなってしまいましたが、この日の体験は、このフェスティバルのみならず2年間のワーホリ生活の中でも一番大きな思い出の一つとなりました。
最終日には、初日から買うか迷っていた一枚のアートを思い切って購入して大満足。
良くも悪くもとにかく"ゆるい"、のんびりとしたイベントで、日本ではまず体験できない空気だと思います。
アボリジニ・コミュニティでのフェスティバルはいくつかありますが、どれもアクセスが難しかったり、参加費が高額だったりしてけっこうハードルが高いものです。Barunga Festivalはその中でも比較的アクセスしやすく、参加費も安いので、一番参加しやすいイベントだと思います。
僕自身、ぜひまた行ってみたいと思っています。チャンスのある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
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